「情報格差」を埋め、拠点や客先の壁を越える。
Zoho Connect /Zoho Cliq で刷新した約2,200ユーザーの社内基盤

顧客のビジネスに深く入り込み、システムの企画から開発・運用までを担うソリューションパートナー、ALH株式会社。東証プライム上場・SHIFTグループの中核を担う“エンジニア集団”であり、金融・公共・社会インフラ領域を中心に事業を拡大してきた。急成長を続ける一方で、全国の拠点や客先に常駐する社員へいかに情報を届け、「情報格差」を生まないかは、長年の重要テーマであった。
社内の情報共有を約7年間支えてきた「Workplace from Meta」がサービス終了(EOS)を迎えることを受け、同社が移行先に選んだのが、社内SNS/ポータルの「Zoho Connect」とビジネスチャットの「Zoho Cliq」である。1,000万件に及ぶナレッジを“水平移行”し、約2,200ユーザーが違和感なく使える環境を実現。現在は各部門が自律的に活用を広げ、拠点や出身企業の垣根を越えた一体感の醸成にもつながっている。
移行の背景や選定の決め手、現場定着の工夫、そして見え始めた変化について、同社 システム本部 情報システム部 部長の村上勇樹氏に話を聞いた。

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「約2,200ユーザー、1,000万件に及ぶ規模のデータを移行し、社員が自発的にコミュニケーションできる基盤が整備できました」

ALH株式会社 システム本部 情報システム部 部長
村上 勇樹 氏

──まず、ALH株式会社の事業概要と強みについて教えてください。

村上氏:当社はシステムインテグレーションを主軸に、エンジニアがお客様の現場に深く入り込み、ITコンサルティングからシステム開発、インフラ構築までを一貫して担っています。ここ数年は社員数が右肩上がりで、特に金融や公共、社会インフラ領域のソリューションが伸びています。常駐体制だからこそ、増えていく社員へ情報をいかに確実に届けられるかが常に重要なテーマでした。

──「AIネイティブ化」にも注力されているそうですね。

村上氏:はい。いま社内で強く進めているのが、バックオフィスを含めた業務のAIネイティブ化です。人の判断を少しずつAIに置き換え、アウトプットは基本的にAIが担い、人は最後に承認するといった仕事の進め方、環境を目指しています。

──村上様のお立場と、情報システム部の体制を教えてください。

村上氏:情報システム部の部長として、社内システム全般の企画・運用を統括しています。実はこの部署は今期立ち上がったばかりで、約2,000名の社員を支えるべく機能を整えている段階です。私自身は採用担当だったときに「Workplace from Meta」による社内SNSの基盤整備に携わってきました。

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ALH株式会社の事業について語るシステム本部 情報システム部 部長 村上 勇樹 氏

──既存ツールの「Workplace from Meta」は、どのように導入・活用されていたのでしょうか。

村上氏:2017年、まだβ版だった頃に導入しました。それ以前はメールやメッセージアプリでのやり取りが中心で、情報統制が取りにくく、社員数が増える中で会社からのお知らせが確実に届くかが課題でした。SNSとして流行していたFacebookと同じインターフェースで経営層の共感も得やすく、インナーブランディングの観点でも導入しやすいツールでした。

──サービス終了(EOS)を受けて、どのような危機感が生まれましたか。

村上氏:2025年8月にサービスが終了し、2026年5月にはデータが完全に削除されるスケジュールでした。約7年間で1,000万件に及ぶデータが蓄積されており、これは当社の大きな財産です。この社内コミュニケーションや技術ナレッジを劣化させずに“水平移行”できるかが最大のポイントでした。加えて、エンジニアにとってはシステムが大きく変わると負荷が生じるため、違和感なく移行できるUIであることも重視しました。

──コミュニケーション面では、どのような課題がありましたか。

村上氏:送り手も受け手も労力をかけずに、確実に情報を伝達できるようにすることが課題でした。会社が大きくなるほどガバナンスやルールが増え、発信する情報量も増えます。また、10人対10人と100人対100人とでは、同じSNSでもコミュニケーションの取りづらさが変わります。だからこそ「いいね」やスタンプのように、手軽にきっかけをつくれる気軽さが必要でした。

「機能面の制約の少なさ」で見極めたZoho
約7年分の“資産”を止めずに水平移行

──後継ツールは、どのように選定されたのでしょうか。

村上氏:2024年秋頃から選定を開始しました。最初に10社ほどを調べ、デモ環境まで用意して検証したのが3製品です。期間は3ヵ月ほどで、年末にはほぼZohoに固まっていました。他社製品は機能面で制約が多く、“引き算”になる部分があったのですが、Zoho Connect、Zoho Cliq は「Workplace from Meta」に近いUI、蓄積データをスムーズに移行できる、という2点が決め手となりました。

──機能面では、どのような点を評価されましたか。

村上氏:大規模ユーザー環境の運用負荷に耐えられること、導入実績が豊富なこと、データ分析やツール開発をアドオンできる柔軟性を重視しました。特に、社員が見るべき情報が1ヵ所に集約されるポータルサイトや、インデックス機能が標準で備わる点は大きかったですね。「Workplace from Meta」にはポータルを作る仕組みがなく、別途、Googleサイトを使って制作していたので、「情報の入口」が2つに分かれていました。これを1ヵ所に集約できることは大きなポイントでした。

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Zoho Connect のカスタムダッシュボード機能で構築したALH独自の社内ポータル

──社内SNSのZoho Connect とチャットのZoho Cliq 、2製品構成であることは選定に影響しましたか。

村上氏:もともとWorkplaceとWorkchatという2製品構成に慣れていたので、同じ構成であることに違和感はまったくありませんでした。同じZoho Connect 、Zoho Cliq でUIも共通しているため、その点でもスムーズでした。

──導入から本番稼働までは、どのようなスケジュールで進められたのですか。

村上氏:2025年に入り、まず移行方法の検証に約2ヵ月をかけました。続いてデータ移行設計に1ヵ月、環境構築に1ヵ月、運用設計に2ヵ月、パイロット運用に2ヵ月を要し、2025年8月の本番稼働に間に合わせました。なお対象ユーザーはALH本体の約2,200ユーザーで、グループ子会社への展開は今のところ行っていません。

──1,000万件に及ぶデータ移行は、どのように進められましたか。

村上氏:ありがたいことに、Zoho側でボタンをひとつ押すだけで移行が始まるツールを用意していただきました。移行ツールを一から開発する覚悟だったので、まさに渡りに船でした。ただ、約7年分の膨大なデータ量ゆえに処理が途中で何度か止まり、内部が見えない中では不安もありました。そこをインド本社のエンジニアの方がハンズオンで、ほぼオンタイムでサポートしてくださり乗り越えられました。

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導入時のデータ移行を支え、現在は運用管理・ユーザー対応全般を担当する日野 淳氏

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インフラエンジニアとしての現場経験を経て、現在は日野氏とともに社内システムの運用・管理を担う福田 麻衣氏

ルールを決めずとも進む“自律的な活用”
拠点・M&Aを越えて醸成される一体感

──現場への定着で、苦労された点はありましたか。

村上氏:社員の多くがエンジニアで、SNS文化もすでに根づいていたため移行はスムーズでした。全員を集めて研修することもなく、移行期間とロードマップを全社員向けに案内しただけで、あとは皆が自律的に動いてくれました。むしろ多かったのはエンジニアならではの、プログラムのエラーの指摘や改善要望で、これらもZoho側に問い合わせると、その都度スピーディーに対応してくださいました。機能面を頻繁にアップデートしてくれるのはZohoの良さです。

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導入時の検証に参加。ヘルプコンテンツの作成など、社内のサポートを担う長谷川 一佳氏

──Zoho Connect 、Zoho Cliq 導入後に、コミュニケーションや情報共有はどう変わりましたか。

村上氏:社員数は、Zoho Connect、Zoho Cliq 導入後のこの1年で約400名増えましたが、これに伴い、コミュニケーション量は指数関数的に増えます。また、ガバナンス上守るべきルールも、それに関する情報量も増える一方です。すると、必要な情報を探し出すのが大変だという相談が頻繁に寄せられます。いかに情報を整理し、自分から取りに行かなくても自然と必要な情報が入ってくるような工夫、仕組みづくりという点で、いまも変化の途上にあると思います。

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社内制度や各種申請、業務手順など、社員に必要な情報を整理した組織マニュアル

──コスト面での効果はいかがでしょうか。

村上氏:Workplace from Meta時代よりも機能が増えて、運用範囲も広くなり単純な比較は難しいのですが、業務ツール統合によるコスト効果を感じています。また、データの移行に関しては、もし移行ツールを自前で開発していたら、期間で3ヵ月ほど、費用でも数百万円規模の投資が必要だったと思います。それがZohoの移行ツールのおかげで1ヵ月で済み、その分のコストと工数を回避できたのは、明確な効果でした。

──現場では、どのような使われ方が定着していますか。

村上氏:いま最も活発なのは技術に関するトピックを扱うグループです。新しい技術トレンドや資格取得の勉強法などが毎日数十件も発信され、それがそのまま会社の財産になります。発信は勉強会や部活動、イベントのコミュニティにも発展し、自分の仲間を見つけやすい場になっています。M&Aを経てALHに合流した、異なる文化で育った社員が増えていく中でも、出身企業の垣根を越えた情報共有が進んでいます。合流したメンバーには、ハンズオン形式の説明会で当社のコミュニケーション文化から丁寧に伝えており、以前より「同じALHの一員」という一体感が醸成されてきたと感じます。

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エンジニアが自発的に技術情報を発信・共有。日々の交流が、組織に蓄積されるナレッジとなっている

──情報システム部門から見た、運用面の変化はいかがですか。

村上氏:利用者や組織が拡大した分、不具合対応などの運用工数自体は比例して増えています。ただ、サポートの一次回答が早いのは大きな違いです。Meta時代は日本人スタッフがおらずチャットベースで、意図も伝わりにくいためコミュニケーションに数日を要することもありました。その点、Zohoは概ね1日あれば返ってくるケースが多く、きちんと見てもらえている安心感があります。急いで調査を依頼したいときに反応があるのは、運用側として本当に助かります。

──当初の期待を超えた、副次的な効果はありましたか。

村上氏:一般ユーザーにもある程度の開発権限が与えられる点は想定以上でした。当社はエンジニア集団なので、バックオフィスも含め皆が自分たちでアプリを開発しています。情シスだけが開発できる状態だと各部門のオーダーを受け、対応するのに手一杯ですが、各部門が自律的にDXを進められるのは非常に大きな効果です。

“ともに育てる”パートナーシップと
拡張性・AIネイティブに向けた展望

──Zohoのサポートや姿勢について、どう評価されていますか。

村上氏:導入から一緒に取り組んでくださった皆さんの姿勢に、とても感謝しています。私たち自身がシステム開発会社なので、最初から完璧なものを用意するより、どう一緒に手を取り合って良くしていくかを大切にしています。Zohoはそこに共感し、一緒に製品を育てていけるパートナーだと思います。

──今後への改善要望があれば教えてください。

村上氏:現在、社員数は約2,200名ですが、3,000名、4,000名と規模が大きくなっても耐えられる性能面の進化に期待しています。たとえばガバナンス強化の中で、安定稼働を監視できる仕組みやログ機能の拡充などのポイントです。また、エンジニアの大半は、モバイル環境でZoho Connect 、Zoho Cliq を使うので、モバイルアプリのアップデートや通知設定の柔軟なカスタマイズ、ディレクトリ管理機能の強化にも期待しています。

──Zohoサービス全体の拡張性については、どう見ていますか。

村上氏:Zohoシリーズは60種類以上に及ぶ多様な製品群を擁しており、拡張性の高さを評価しています。刻々と変わる当社の業務課題に対してソリューションを選んでいける幅広さは、類を見ないのではないでしょうか。

──今後の活用の展望をお聞かせください。

村上氏:やはりAIがテーマになると思います。検索して情報を探す時代から、必要な情報が自動で届く、あるいはAIがサポートしてくれる時代へと、ユーザーの感覚も変わってきています。そこに追随できる製品であってほしいですし、今後新しいツールを検討する際も、AIとの親和性は大きな評価項目になるはずです。当社としても、AIとの親和性を意識したZohoサービスの活用を、より一層強く意識していきたいです。

──最後に、大規模組織の基盤刷新を検討する企業へメッセージをお願いします。

村上氏:約2,200ユーザーという規模でも、こうしたコミュニケーション基盤を整備することができたことは、Zoho Connect 、Zoho Cliq のおかげだと感謝していますし、当社以上の大規模なユーザーを抱える企業でも、実現可能だと思います。大規模なデータ移行はハードルが高く感じられるかもしれませんが、段階的な展開と丁寧な周知を行えば十分に可能です。Zohoは、システム面だけでなく運用や施策の面でもきめ細かく相談に乗ってくださるので、ぜひ自信を持って飛び込んでいただければと思います。

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ALH株式会社

  • 所在地:東京都目黒区目黒1-24-12 オリックス目黒ビル
  • 業種:システムインテグレーション
  • 事業内容:ITコンサルティング、インフラ構築、アプリケーション開発、品質保証、IT運用保守、セキュリティ診断等
  • 設立:2014年1月20日(グループ設立:2000年12月)
  • URL :https://www.alhinc.jp/