SFAとは?
営業支援ツールの導入ポイント

SFAとは、Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)の略語で、営業支援ツールと呼ばれています。
SFAの概要と基本機能、導入メリットや活用のヒントを簡単に、わかりやすく解説しました。

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SFAとは?
目次

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SFAとは

SFAは「Sales Force Automation」の略称で、日本語では「営業支援ツール/システム」と呼ばれています。SFAの主な機能には、顧客情報や商談情報の管理、営業担当者の活動の管理と共有、データに基づく営業の進捗管理などが含まれます。SFAを活用することで、営業マネージャーや担当者は営業活動の全体像を把握し、効率的な業務運営が可能となります。さらに、SFAに蓄積された営業データを集計・分析し、得られた結果をもとに迅速な意思決定を行うことも可能です。SFAは、営業活動を効率化し、生産性を向上させるために欠かせないツールとなっており、多くの企業で活用されています。

SFAの概要

SFAの歴史と背景

SFA(営業支援システム)は、営業活動を効率化するために顧客情報や商談の進捗状況を一元管理・共有するITツールです。SFAは、1990年初頭に米国で開発され、日本でも1990年代後半に初めての国内産SFAが登場しました。2000年代には、クラウド技術やCRM(顧客関係管理システム)の統合により、SFAの導入が一気に加速し、国内でも多くの企業が採用するようになりました。近年では、AI技術を搭載したSFAが登場し、営業データの高度な分析や商談結果の予測なども行えるようになり、営業支援ツールとしてさらなる進化を遂げています。

SFAは、営業部門の生産性向上や営業マネージャーの管理工数削減にとどまらず、企業全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも貢献しています。企業はSFAを活用することで、競争力を強化し、業務効率を向上させています。

SFAの歴史

1980年代:PCの普及

SFAの歴史は、1980年代に米国でPC(パーソナルコンピュータ)が普及した時期にさかのぼります。1981年に米IBMが初のパーソナルコンピュータ「IBM PC」を販売したことで、企業や家庭でのPCの導入が加速しました。

PCが一般企業に普及したことに伴い、1980年代には事務作業の自動化・効率化を目指すOA(Office Automation)化の機運が高まります。このような時代背景から、当時の米国では業務を効率化させるシステムが次々と開発されるようになりました。

1990年代前半:SFAの登場

1993年、米シーベル・システムズは、営業活動を効率化するシステムとしてSFAを開発しました。人材の流動性が高い米国では、営業担当者の入れ替わりが多く、営業力が安定しない問題がありました。そこで、SFAは営業活動の属人化を解消し、営業担当者の活動を一元管理するシステムとして登場しました。初期のSFAに搭載されている機能は営業のマニュアル化を目指すものが中心でした。

1990年代後半:国産SFAの誕生

1990年代後半には、日本でも国産SFAが登場しました。当初、日本では米国ほどPCが普及しておらず、SFAの活用は限られていました。しかし、次第にPCの普及が進み、国内のIT企業が独自のSFAソリューションを開発・提供するようになりました。

2000年代前半:クラウド型SFAの登場

2000年代に入ると、クラウド技術の進展に伴い、低価格でサービスを利用できるクラウド型のSFAが誕生します。これまでのSFAは、社内にシステムを構築するオンプレミス型が主流だったため、導入に際して多大な費用が必要になることが一般的でした。インターネット経由で手軽にSFAを利用できるようになったことで、企業向けソフトウェアの新時代が幕を開けました。

2000年代前半は、マーケティング手法に関する課題が顕在化した時代でもあります。ITの普及により消費者のニーズが複雑化し、従来のマスマーケティングのみでは十分な成果を挙げることが難しくなりました。やがて「デジタル技術を活用して顧客との関係を強化する」というマーケティング手法としてのCRM(顧客管理)が重要視され始め、SFAにもCRMの考え方が組み込まれるようになります。

2000年代後半:SFAとCRMの統合

2000年代後半には、SFAとCRMが統合され、営業活動から顧客サポートまでを一元管理できるシステムが登場しました。CRMは、顧客データを収集・管理して顧客との関係を良好に保ち、利益の向上を図るためのツールです。それぞれ個別に発展してきたSFAとCRMが統合したことで、マーケティングから営業、そして既存顧客サポートに至るまでの業務フローを一元管理できるようになりました。ツールの利用価値が向上したこととモバイル端末の普及が相まって、日本国内におけるSFAのシェアは急速に拡大しました。

2010年代以降:AI技術の導入によるSFA/CRMの進化

2010年代以降、AI(人工知能)がSFA/CRMに搭載され、分析機能や予測精度が飛躍的に向上し、営業活動のさらなる効率化が実現しました。AIはリードスコアリングや営業予測を行い、営業担当者に次のアクションを提案するなど、従来のSFAでは不可能だった高度な支援が可能になっています。

SFA/CRMは今なお、営業プロセスの自動化や顧客との関係強化、商談の成約サポートなど、組織をより幅広く支援するツールとして進化を続けています。

SFAツールの機能一覧

SFAの主な機能は、中核となる「情報管理機能」と、営業活動をサポートする「営業支援機能」に大別されます。

情報管理機能

顧客管理

顧客の基本情報、コミュニケーション履歴、購買履歴などを一元管理する機能です。
相手先の情報が一目でわかるため、担当者の不在や引き継ぎ時にも応対品質を保つことができます。

案件管理

各案件の提案内容や完了予定日、成約確度などを管理できる機能です。
部門で抱える全ての案件状況をすばやく把握できるため、マネージャーは各担当者ごとに適切な助言をしやすくなります。

商談管理

商談の進捗状況や見積金額などを管理する機能です。過去の商談履歴や進捗状況のほか、見積書や提案金額なども管理できます。
コミュニケーションの詳細が把握できるため、成約に至った理由や失注した原因を分析することにも役立ちます。

行動管理

アポイント数や訪問数など、行動スケジュールなど、営業担当者の活動を数値化し、行動パターンを比較・分析できる機能です。
各担当者の行動を定量的に比較することで、マネージャーは成績の良い担当者の行動パターンを他メンバーにナレッジとして共有できます。

営業支援機能

売上予測

案件の確度と受注予定額を組み合わせ、精度の高い売上予測ができます。売上は、担当者ごとや部署ごと、顧客ごとなどさまざまな角度から算出可能です。
リアルタイムに予測値を共有することで、マネージャーは確度の高い案件を優先したり、キャスティングを調整したりと戦略的に目標達成を実現できます。

書類作成・ワークフロー

最小限の入力で、見積書や契約書を作成ができる機能です。承認フローを設定することで、上司に承認を得るまでの流れもスピーディに完結できます。
日報の作成・提出もSFA上で完結するため、営業活動に付随する事務作業が大幅に効率化します。

分析・集計レポート

SFAに蓄積されたデータを自動で集計し、分析レポートを作成できる機能です。担当者別、製品別など、さまざまな角度から営業活動の傾向を確認できます。
手作業でデータを収集・分析する手間が削減できることに加え、瞬時に状況を把握できることによって迅速な意思決定も実現します。

タスク・スケジュール管理

営業担当者ごとのタスクやスケジュールを管理・共有できる機能です。いつ、誰が、どのような業務にあたっているのかが可視化されるため、マネージャーは各自のリソース状況を把握したうえで最適な業務割り振りができます。
対応の抜け漏れを防ぐほか、会議やミーティングの日程調整も容易になります。

SFAとCRM、MAの違いとは

SFA、CRM、MAはそれぞれ異なる目的と役割を持つツールです。SFAは営業活動の効率化と自動化に特化しており、営業プロセスをサポートします。一方、CRMは顧客情報の管理と顧客との関係を強化を目的としており、営業、マーケティング、カスタマーサポートなど幅広い部門で活用されます。MAはマーケティング活動の自動化に重点をおき、見込み客の獲得と育成に焦点を当てています。つまり、SFAは営業支援、CRMは顧客管理、MAはマーケティングの自動化をそれぞれ目的としており、これらのツールは、それぞれ異なるフェーズをサポートするため、効果的に使い分けることが重要です。

SFA - 営業支援システム

SFAは、営業活動の効率化を目指したツールであり、営業の成約率を上げるうえで必要な機能に特化しています。SFAの活用場面は営業シーンに限定されますが、顧客管理を行うという性質上、CRMの利用はマーケティングやカスタマーサポートなど他の部門にも広がっています。また、CRMとSFA双方の機能を兼ね備えたツールを営業部門が活用することもあります。

SFAが解決するよくある現場の課題

  • 各営業担当者が抱える案件の状況が把握できないため、売上予測が難しい
  • 見積書、発注、日報などの作成に手間がかかり、承認フローも効率化されていない
  • 成績の良い営業担当者のノウハウが部門内で共有できず、人材育成が進まない
  • 営業活動で得られたデータの集約・分析が十分にできず、精度の高い対策が講じられない

CRM - 顧客管理システム

CRMは「Customer Relationship Management」の略称で、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれています。顧客とのコミュニケーションを強化する目的で、顧客の基本情報や行動データ、対応履歴などを収集・管理するツールです。CRMに蓄積された情報は、マーケティング部門やカスタマーサポート部門など、営業部門以外でも広く活用されます。SFAやMAの基盤として機能しているツールだと考えるとわかりやすいでしょう。

CRM(顧客関係管理)とは

CRMが解決するよくある現場の課題

  • 顧客情報を異なるツールで管理していることで、マーケティング部門と営業部門の連携が取れない
  • 顧客から問い合わせがあった際に、顧客の契約状況や履歴を即座に参照できず、サポート品質の低下を招いている
  • サポート部門が得た顧客の声を、製品・サービスの改善に生かし切れていない
  • 顧客の個人情報が社内に散在しており、データ管理に不安を感じている

MA - マーケティングオートメーション

MA(マーケティングオートメーション)は、見込み客の獲得や育成などのマーケティング活動全般を自動化するツールです。SFAは見込み客が案件化した後の活動をサポートするのに対し、MAはその前段階である集客から案件化までの工程を効率化します。MAは、SFAやCRMで管理する顧客情報と連動することで効果が最大化されるため、まずはSFA/CRMの導入を検討することが一般的です。

MAツール

MAが解決するよくある現場の課題

  • 優先的にフォローすべき見込み客を把握できず、次のステップへつなげるチャンスを逃している
  • 顧客の行動や属性に基づいたアプローチを行ううえで、現場の工数負担が大きい
  • 見込み客の育成状況が可視化できておらず、マーケティング活動の改善点を見いだせない
  • 育成した見込み客を、営業部門へ引き渡す際の情報共有がスムーズでない

SFAとCRM、MAの共通点

SFA、CRM、MAの3つのツールには、「顧客情報の管理」という共有の機能があります。SFAは営業活動を効率化し、MAはマーケティング活動を自動化、CRMは企業活動のあらゆる側面で顧客との関係を強化する役割がありますが、どのツールも「顧客獲得と維持」を最終的な目標としています。

具体的には、SFAは営業担当者が商談状況を把握し、顧客への最適なアプローチを行うための情報を提供します。MAは見込み客の行動データを分析し、適切なタイミングでフォローを行うことでリードを育成します。CRMは、これらの活動で得られた顧客情報を蓄積し、長期的な顧客関係を管理・強化します。

これら3つのツールは、異なるフェーズで活用されますが、顧客との関係を深め、維持するという共通の目標に向かって役割を果たしています。さらに、各ツールが連携することで、営業とマーケティングの一貫した顧客管理が可能となり、組織全体のパフォーマンスを向上させます。

データでわかる、今SFAをマスターすべき理由

SFAの導入率は年々増加傾向にある

近年、SFAの導入が加速しています。企業向けITサービス情報サイトが行った「SFA(営業支援システム)の利用状況」調査によれば、日本国内のビジネスパーソンのうち、「既に導入済み」と回答した割合は44.8%に達し、5年前と比較して約1.5倍に増加しています。

SFAの導入状況

デジタル技術の進歩やDXの推進により、ITを活用した「セールステック」ファ重要視されるようになり、SFA市場は今後も成長が期待されています。(出典:セールステック業界のAI予測分析レポート

営業組織はデータを十分に活用できていない

営業部門の課題として、特に多く挙げられているのは「情報の共有と有効活用」(57.5%)や「営業活動の効率化」(40.2%)です。これらの課題はSFAの導入によって解決できる可能性があります。

営業部門が抱える課題

顧客データを利益向上に活かす

SFAをマスターすることで、営業活動を通じて得た顧客データを適切に管理し、組織全体で共有できます。競争の激しい現代では、単に入手できる顧客情報を管理するだけでなく、自社独自の情報を有効に活用して利益を向上させることが重要です。

『最強の経営シリーズ』(東洋経済新報社)でも「営業による顧客ニーズの収集と製品開発への反映は、事業推進において不可欠な活動である。」と指摘されているように、製品・サービスの供給過剰によってコモディティ化が進んだ現代では、「顧客の声」の収集・分析が業績向上に不可欠です。SFAをマスターすることで、収集した顧客情報の適切な管理が実現し、組織全体の情報活用基盤を構築できます。

営業活動を可視化し、営業担当者のスキル向上に活かす

SFAを活用することで、営業活動の進捗状況がリアルタイムで可視化されます。この結果、売上予測の精度が向上するだけでなく、営業担当者のスキル向上にもつながります。例えば、商談の進捗や見込み客の状況をデータとして蓄積し、それをマネージャーが活用することで、適切なフィードバックやコーチングが可能になります。

データを活用して営業力を底上げする

営業活動において、データの活用がますます重要になっています。マネージャーや営業担当者は、勘や経験に頼るだけではなく、データに基づいて客観的な視点で営業戦略を立案・実行することが求められます。。データの重要性に関しては、Amazon創業者のジェフ・ベソスも「意見で決めるなら、私の意見が常に勝つ。しかし、データは意見に勝つ。だからデータを持ってこい」と語っています。(出典:『ブリッツスケーリング』)

紙やExcelなどのアナログな情報管理では、データの収集や分析に手間がかかり、効率的な営業活動を実現することが難しくなっています。SFAを活用することで、営業活動に必要なデータをリアルタイムで確認・分析し、データドリブンな営業戦略を立案できます。有効なアクションプランを検討し、より効果的な営業戦略を立案するうえで分析すべきデータは以下の通りです。

営業の結果を把握するデータ

目標達成率、販売数、受注金額など

途中経過や中間目標を確認するデータ

見込み客獲得件数、商談数、メール/電話件数など

営業活動全体の傾向を把握するデータ

受注率、利益率、案件平均単価など

対処が必要な案件を確認するデータ

◯日以上未活動案件、完了予定日が過ぎている案件など

例えば、SFAを活用して「最近案件の平均単価が下がっている」という問題を発見した場合、データを期間ごと、セグメント別、製品別に分析することで、どの顧客層や業界で問題が発生しているかを特定できます。具体的には、「2カ月前から◯◯業界へのA製品の売上が減少している」というような課題を明確にし、営業マネージャーが担当者と共有して改善策を考えることが可能です。

このように、データに基づいた営業活動を行うことで、部門全体の営業力向上と業務効率化を実現します。

営業活動は「顧客中心の高度な情報戦」に変化している

現代の営業活動は、ITを活用した高度な情報戦に変化しています。個人の営業力を磨いても、素晴らしい戦略立案を立案しても、情報という武器を適切に利用できなければ現代を勝ち抜くことは困難です。

データを活用することで、営業担当者個人のセンスやスキルに依存しなくても一定の成果を得ることが可能となります。デジタル技術の進化とともに顧客は変化しているため、営業活動も顧客を中心に捉えつつ、情報を利活用できる基盤を整えることが重要です。

SFAがもたらす営業DXへの影響

デジタル技術の進化により、DXは企業にとって不可欠な取り組みとなっています。AIやloT、ビッグデータを活用することで、業務プロセスの自動化や顧客一人ひとりに対する価値提供が可能になります。

営業活動にも大きな変化がみられます。従来に対面型営業から、Webサイト、SNS、オンライン会議を活用したデジタル営業へと移行しており、デジタル技術なしでは営業は成り立ちません。顧客の購買行動も変化しており、BtoBビジネスでは、「購入意思決定の60%近くは営業担当者との接触前に完了している」という調査もあります。(出典:ハーバード ビジネス レビュー)

参考資料:

more than 1,400 B2B customers found that those customers completed, on average, nearly 60% of a typical purchasing decision―researching solutions, ranking options, setting requirements, benchmarking pricing, and so on―before even having a conversation with a supplier. ”1,400以上のBtoB顧客が、一般的な購入意思決定(解決法の調査、商品のランク付け、要件の設定、価格の評価)の60%近くをサプライヤーとコンタクトを取る以前に完了していることを発見しました。”

Harvard Business Review “The End of Solution Sales”

こうした変化に対応するため、企業が競争優位を築くには、SFAを導入しデータを活用することが求められます。SFAが営業活動に与える影響には、次のようなメリットがあります。営業に求められるレベルが高まった現代において企業の優位性を確立するためには「SFAの導入によるデータの利活用」が必要です。、SFAの導入が、営業活動に与える影響には以下のようなものがあります。

SFAは、顧客のデータを基にした営業アプローチを強化し、顧客ニーズに合った対応を可能にします。また、SFAを活用することで、営業プロセスが自動化され、重要な業務に集中できる環境が整います。この結果、組織全体の生産性が向上し、DXの目的である「ビジネスの速度向上と競争力の強化」を実現する手段としてSFAが大きく貢献します。

SFAツールの利用メリット

SFAには、営業担当者の事務作業負担を軽減し、営業活動に関するさまざまな情報を一元管理することで、組織全体の生産性向上とマネジメントの効率化を実現します。また、営業部門がデジタル技術を活用することで、企業全体のDXを促進し、業務改善を図ることで、競争力を強化する効果も期待できます。

生産性が向上する

SFAを導入することで、営業部門の生産性が大幅に向上します。特に、時間を取られがちな報告業務や書類作成が自動化されることで、営業担当者は顧客対応や案件獲得といったコア業務に集中できるようになります。さらに、SFAには営業活動に関するデータが蓄積され、これらのデータを活用して自社独自の戦略を立案できます。例えば、成約率の高いアプローチ方法を分析し、他の営業担当者に共有することで、部門全体の営業パフォーマンスを向上させることができます。

効率的な営業管理

SFAは、顧客情報、商談情報、営業担当者の活動状況を一元管理し、マネジメントの効率化を実現します。リアルタイムに情報が共有できるため、マネージャーは各営業担当者の進捗状況を即座に把握し、迅速なフィードバックを提供することができます。

特に、クラウド型SFAを利用することで、外出先でもデータの入力・参照が可能となり、営業担当者が外出中でもマネージャーはスムーズに報告やアドバイスが行えます。結果的に、チーム全体のコミュニケーションが向上し、的確かつ迅速なコーチングが実現します。

SFAツールの具体的な活用方法

SFAは、営業担当者とマネージャーそれぞれにとって、営業活動を効率化し、生産性を向上させるための重要なツールです。ここでは、それぞれn役割において、SFAがどのように活用されているのかを具体的に解説します。

営業担当者向け

外出先で情報入力や書類作成を行う

モバイル対応のSFAでは、日報や見積書などの作成・提出を時間と場所を問わずに行うことができます。
管理者の承認もオンライン上で完結するため、オフィスへ戻って事務作業をする必要がありません。

外出先でスケジュールを確認する

訪問日程や書類の送付期日など、スケジュールを外出先からも確認できるため、人為的なミスの減少につながります。
顧客との応対履歴を改めて見直したうえで商談に臨む、といった使い方も可能です。

資料作成の手間を減らす

SFAの集計・レポート機能を活用することで、資料作成の工数負荷を軽減可能です。
SFAに蓄積された過去の資料をテンプレートとして活用できるため、一から資料を作成する必要がなくなります。

営業マネージャー向け

各担当者の状況をリアルタイムに把握する

SFAのスケジュール管理機能では、チーム全員のスケジュールを効率的に把握できます。
外出先からの情報入力も可能なため、突発的に新たな予定が発生した際もリアルタイムに助言や指示出しを行うことが可能です。

売上予測をスピーディに導き出す

各担当者が入力した営業活動の結果を、SFAが自動的に分析して正確な売上予測を導き出します。手作業でデータを集計・分析する必要がないため、スピーディにレポートを作成できます。
すみやかな状況報告が実現することで、上層部の迅速な経営判断・意思決定に貢献できることもメリットです。

営業担当者の育成・トレーニングに活かす

SFAに蓄積した営業データを分析することで、担当者ごとの強みや弱みが明確になります。商談を生み出すのが得意な担当者、クロージングが苦手な担当者など、各自の特性を的確に把握できるようになるでしょう。
各担当者の特性にマッチしたトレーニングを行うことで、効率的に部門全体の営業力を強化できます。

SFAを他ツールと連携させ、成果を最大化する

SFAは、CRMやMAはもちろん、さまざまなITツールと連携することでさらに力を発揮します。ここでは、SFAと連携することによって効果が高まるITツールを把握し、連携のメリットについて解説します。

SFAとMAを連携する

SFAとMAを連携すると、見込み客獲得から受注に至るまでのアプローチが最適化し、組織全体における目標達成の確度が高まります。具体的なメリットは以下の通りです。

CX(顧客体験)を高めるSFA/CRM

CX(Customer Experience)とは顧客が企業やその製品・サービスと接する中で得られるすべての体験を指します。企業にとって、価格や製品性能だけでなく、顧客と接するあらゆる場面で満足感を提供することが、長期的な成功に不可欠です。SFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理)は、顧客との接点を一貫して管理し、より良い顧客体験を提供するための強力なツールです。

例えば、顧客が問い合わせをした際、SFA/CRMを活用すれば、過去の購買履歴やコミュニケーション履歴をもとに最適な提案が可能となり、顧客に個別化された対応が提供できます。その結果、顧客は「自身の属性や購買履歴を鑑みて、最もマッチする製品を提案してくれた」と感じ、企「異なる担当者が対応したことで、以前説明したことを再び伝えなければならなかった」という体験をした顧客とでは、企業に対する信頼感に差が出ます。

良い顧客体験を提供するためには、顧客のニーズを的確に汲み取り、先回りして価値を提供する姿勢が重要になります。そこで重視すべきポイントは以下の2点です。

顧客の声(VOC)の収集・管理

問い合わせで寄せられた内容はもちろん、顧客が要望を出しやすいようアンケートや満足度調査を実施してVOCを収集することも有効です。
収集したVOCは一元管理し、製造部門やマーケティング部門、サポート部門などあらゆる部門で共有することで、製品や応対の品質向上に役立てることができます。

部門間の情報連携

顧客が製品・サービスを認知した段階から購入、継続(リピート)に至るまでの一連の流れに対し、一貫性を持ったサポートを提供することが重要です。
そのためには、マーケティング部門・営業部門・サポート部門などで使用するシステムがシームレスに連携しており、リアルタイムに情報を共有できる体制を構築する必要があります。

SFA/CRMを活用することで、顧客との全体的な接点を管理し、購買後のフォローアップまできめ細かく対応できます。さらに、顧客の購買体験を支えているマーケティング部門・営業部門・サポート部門が連携することで、顧客と良質な関係性を築くことができます。「自身の要望を的確に捉えたアプローチをしてくれた」「購買後、不明点が出てきたタイミングでちょうどよくフォローの連絡をくれた」というポジティブな体験が、LTV(Life Time Value:顧客一人が生涯で企業にもたらす全体利益)の向上につながりまです。

SFAとCXツールを連携する

顧客体験(CX)をさらに高めるためには、SFA/CRMに加えて、他のCX向上ツールと連携することが効果的です。顧客が企業と接するポイントは多岐にわたり、SFAやCRMだけでなく、以下のようなツールを組み合わせることで、顧客体験を総合的に向上させることができます。

Web解析ツール

Webサイトの訪問者数や行動データなどを集計・分析できるツールです。
マーケティング活動の効果測定や、CX向上施策に関する仮説検証に役立ちます。

Web接客ツール

Webサイトの訪問者に、チャットツールやチャットボットなどで接客ができます。
各ユーザーのニーズにあわせて情報提供ができるため、CXの向上に貢献しやすいことが特徴です。

SNS管理ツール

複数のソーシャルメディアにおける自社アカウントを一元管理し、SNS運用の成果を高めるツールです。
フォロワーの反応を分析し、最適な投稿日時や内容を提案してくれるツールもあります。

SFA/CRMとこれらのCXツールを連携すると、営業活動にとどまらず、企業と顧客のあらゆる接点を一貫して管理できます。近年注目されている「CXM(顧客体験管理)」という概念は、顧客とのすべてのタッチポイントを管理し、CXを最大化することを目指しています。SFA/CRMを中心に、Web解析やSNS管理といったツールと連携させることで、より包括的な顧客管理が可能となり、企業全体のCX向上が実現します。

SFAとCXツールを連携

SFAツールの種類と選び方

SFAの種類は、大きく「クラウド型」と「オンプレミス型」に分けられます。両者の大きな違いは以下の通りです。

クラウド型

オンプレミス型

デプロイ方法

インターネット経由でサービス側のサーバーにアクセスする

自社内にサーバーを設置する

導入コスト

インフラ機器やサーバーなどの管理をサービス提供側が行なうため、オンプレミス型と比較して低い

サーバーやハードウェアなどの取得が必要なため、クラウド型と比較して高い

ランニングコスト

月額制や従量課金制を採用しているため、オンプレミス型と比較して高い

  • 月額利用料は不要なため、クラウド型と比較して低い
  • 保守/メンテナンス費用は継続して発生する

運用・保守

トラブルも含めてサービス提供側が対応する

自社側で対応する

カスタマイズ性

サービス提供側が管理するため、全ユーザーにほぼ同一のサービスが提供される

独自運用のため、制限なくカスタマイズできる

セキュリティ

サービス提供側のセキュリティポリシーに依存する

自社のセキュリティ管理に依存する

アクセス方法

インターネット環境があれば時間や場所を問わずにアクセス可能

自社内でのみアクセス可能

クラウド型は導入のハードルが低く、組織の変化に応じて柔軟にプランを変更できるため、スピードや柔軟性が求められるDXの進展にともない需要が増加しています。実際、Alied Market Research 社が行った調査では、2023年にクラウド型SFAの普及率がオンプレミス型SFAを大きく上回ると予想されています。(出典:「Sales Force Automation Software Market」

SFAを選定する際は、提供形態以外にも以下のポイントを重要視することをおすすめします。

必要な機能が搭載されているか

SFAはツールによって搭載されている機能が異なり、どのような業務に強みがあるのかもそれぞれ異なります。
導入前に、自社のニーズや要件を明確にしておくことが重要です。

使い勝手に問題はないか

営業担当者一人ひとりが使いこなせるツールを選定することが重要です。日々情報をストレスなく入力してもらうために、インターフェースや操作性が現場に受け入れられるのかを事前に確認します。
特にITツールの活用に慣れていない組織の場合は、無料トライアルのあるツールを選択することをおすすめします。

他のITツールと連携しやすいか

すでに自社で導入しているITツールがある場合は、そのツールと連携可能なSFAを選択します。
現在活用しているツールがない場合は、連携機能が豊富なツールや、営業活動に必要なツールを統合的に提供しているベンダーを選ぶことをおすすめします。

導入後のサポートやトレーニングは充実しているか

SFAを定着させるには時間と労力が必要になるため、導入直後は現場の手間が増える可能性があります。
サポートやトレーニングが充実したツールを選ぶことで、SFAの活用を軌道に乗せるまでの時間を短縮可能です。

主要なSFAツール比較

ここでは、主要な以下5つのSFAを取り上げ、機能や料金を比較します。

  • Zoho CRM
  • Sales Cloud
  • HubSpot Sales Hub
  • eセールスマネージャー
  • Mazrica Sales

Zoho CRM

Zoho CRM トップページ

費用(年間契約)

  • スタンダード:¥1,680円/ユーザー/月
  • プロフェッショナル:¥2,760円/ユーザー/月
  • エンタープライズ:¥4,800円/ユーザー/月
  • アルティメット:¥6,240円/ユーザー/月

特徴

  • AIによる営業支援
  • 初期費用なし
  • 堅牢なセキュリティで情報を暗号化

モバイル対応

無料プラン

無料トライアル

あり(15日間)

サポート体制

  • カスタマーサポート
  • 学習キット
  • ユーザーコミュニティ
  • セミナー/イベント
  • パートナー紹介支援

Zoho CRM は、世界で25万社に導入されているSFA/CRMです。他社のツールと比較して低価格で利用でき、初期費用や機能拡張のためのオプション料金も一切かかりません。

直感的で使いやすいインターフェースが特徴で、SFAの導入が初めての組織や、低リスクで導入を検討したい組織に適しています。他ツールとのシームレスな連携が実現することはもちろん、Zoho の45以上のビジネスアプリケーションが統一インターフェースで利用可能なため、ビジネスの成長段階にあわせて自在に機能を拡張できます。

Sales Cloud

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費用(年間契約)

  • Starter:3,000円/ユーザー/月
  • Professional:9,600円/ユーザー/月
  • Enterprise:19,800円/ユーザー/月
  • Unlimited:39,600円/ユーザー/月
  • Einstein 1 Sales:60,000円/ユーザー/月

特徴

  • CRM、SFA、MAとのスムーズな連携
  • 優れたインターフェース
  • 精度が高い分析機能

モバイル対応

無料プラン

×

無料トライアル

あり(30日間)

サポート体制

  • オンライン学習/デモ
  • ユーザーコミュニティ
  • ウェビナー
  • エキスパートからの支援は別料金

Salesforce 社が提供する「Sales Cloud」は、世界中で高いシェアを誇るSFAです。企業規模や業界を問わず、幅広いサービスに対応できる汎用性の高さが特徴です。カスタマイズ性に優れているため、自社の課題にあわせて柔軟にシステムの最適化を図ることができます。

一方、Sales Cloud は非常に多機能なため、使いこなすにはIT知識が求められます。シンプルなSFAを求めている組織においては、豊富な機能を持て余す可能性もあります。組織へ定着させるハードルはやや高いため、導入時のサポート体制を十分に整えておくことが重要です。

HubSpot Sales Hub

HubSpot Sales Hubのトップページ

費用(年間契約)

  • 無料ツール:0円
  • Starter:2,400円~/月
  • Professional:12,000円~/月
  • Enterprise:18,000円~/月

特徴

  • 基本機能を完全無料で利用可能
  • ゼロから自社開発のSFA
  • 初心者でも使いやすい

モバイル対応

無料プラン

無料トライアル

有料版デモあり

サポート体制

  • カスタマーサポート
  • オンライン学習コンテンツ
  • ユーザーコミュニティ
  • 認定パートナー支援

HubSpot 社が提供する「Sales Hub」は、営業組織をサポートするさまざまな機能が1つのプラットフォームに集約されているSFAです。CRMの基本機能が無料ツールとして提供されているため、顧客との関係を強化しCXを向上させたい組織に適しています。

初心者でも使いやすく導入費用も最小限で済むことから、中小企業や少人数のスタートアップ企業における導入実績が多いことが特徴です。他のツールを連携させる場合は、HubSpot の製品で統一するとより使い勝手が向上しますが、マーケットプレイスに掲載されている1,500種類以上のアプリを連携することもできます。

eセールスマネージャー

eセールスマネージャーのトップページ

費用(年間契約)

  • スタンダード:11,000円/ユーザー/月
  • ナレッジシェア(閲覧のみ):6,000円/ユーザー/月
  • スケジュールシェア(グループウェアのみ):3,000円/ユーザー/月

特徴

  • 面倒な初期設定が不要
  • 日本の営業スタイルにマッチ
  • リーズナブルなプランあり

モバイル対応

無料プラン

×

無料トライアル

あり(30日間)

サポート体制

  • 操作マニュアル
  • 動画コンテンツ
  • セミナー
  • その他有料サポートあり

ソフトブレーン社が提供する「eセールスマネージャー」は、日本の営業スタイルにあわせて開発された国産SFA/CRMです。ソフトブレーンは、日本におけるSFA勃興期を支えた企業の1つでもあります。

SFAの多くは海外製品のため、日本語に翻訳された際の不自然さが目立ち、表現を理解するまでに時間を要することがあります。その点eセールスマネージャーは、日本の営業シーンを想定して開発された日本人のためのツールであることから、導入・定着におけるストレスを抑制できます。料金プランによってユーザーごとに操作権限を調整できるため、最低限のコストで充実した機能を求めている組織に最適です。

Mazrica Sales

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費用(年間契約)

  • Starter:27,500円~/月(5人のユーザーを含む)
  • Growth:110,000円~/月(10人のユーザーを含む)
  • Enterprise:330,000円~/月(20人のユーザーを含む)

特徴

  • 誰でも使いこなせる操作性
  • 簡単で柔軟なカスタマイズ性
  • 視覚的にわかりやすいレポート分析

モバイル対応

費用(年間契約)

無料プラン

特徴

無料トライアル

モバイル対応

サポート体制

  • オンラインマニュアル
  • チャットサポート
  • その他有料サポートあり

株式会社マツリカの「Mazrica Sales」は、現場の視点に立ち、使いやすさにこだわって開発されたSFAです。管理者にとっての使いやすさではなく、現場の営業担当者の利便性を重視して設計されているため、導入後の定着がスムーズに進みます。「SFAを利用しているが、営業担当者が情報を入力してくれずに困っている」という組織のツール切り替えにも最適です。

SFAツールのデメリットとよくある失敗

SFAの大きなデメリットは、「導入・運用費用の高さ」と「営業担当者の負担の大きさ」です。ここでは、SFA導入の成功率を高めるために、これらのデメリットによって発生する失敗と対応策について解説します。

費用負担が大きい

SFAの最大のデメリットは、導入・運用に費用が発生することです。SFAを活用するうえで発生する費用には、大きく以下の3種類があります。

導入費用

  • システム導入費用
  • 初期カスタマイズ費用
  • データ移行費用
    など

運用保守費用

  • 月額利用料金
  • 運用サポート費用
    など

人件費

  • 入力/管理の対応人件費
  • システム管理者の人件費

上記3種類の費用のバランスを考慮し、予算を投下すべき要素を見極めます。たとえば、初期費用が抑えられる一方で無料サポートが充実していないツールの場合は、定着までに想定外の人件費が発生する可能性があります。自社の状況や営業担当者のITリテラシーなどを加味したうえでツールを比較検討することが重要です。

また、SFAそのものが使いづらいことで手間が生じ、運用サポート費用や対応人件費がかさんでしまう事例もあります。操作方法がわかりやすいことはもちろん、自社にとって不必要な機能が搭載されていないことも事前に確認しておきます。組織との相性を確かめるために、一定期間の無料トライアルを経てから導入を決定することも有効です。

情報の入力に時間がかかる

これまで各営業担当者に情報管理を一任していた組織にSFAを導入すると、新たに「情報を入力する手間」が発生します。特にツールに慣れるまでの期間は、情報入力の手間が営業担当者にとって大きなデメリットになります。

SFAは、営業担当者が活動の結果をシステムに入力することで初めて機能します。そのため、担当者がストレスなく情報を入力できるツールを剪定することが重要です。

SFAは、入力項目をの多さに比例して蓄積されるデータが増加し、より正確な分析結果を導き出します。しかし、営業担当者の作業量が増えるほど、重要な業務に費やす時間が削られます。このような課題を解決するうえでは、以下のような施策を検討しておくことが重要です。

  • 入力項目を必要最低限に絞る
  • 操作に慣れるためのトレーニング期間を十分に設ける

SFAに情報を入力する必要性を各担当者に理解してもらう

SFAツール導入の流れ

SFAの導入を成功させるためには、計画的なアプローチが重要です。ここでは、SFAの導入から定着までの流れを6ステップで解説します。

ステップ1:プロジェクトチームを編成する

最初に、SFA導入を担当するプロジェクトチームを編成します。営業プロセスに精通したメンバーやITに詳しいメンバーから、企業規模に応じて2~5名を選出します。SFA導入は従来の営業手法を変革するため、組織内で反発が生じることもあります。そのため、経営トップからのサポートを得ることが、導入プロジェクトの成功につながります。

ステップ2:導入の目的を明確にする

SFA導入の目的を明確化することは、自社に適したツール選定や導入プロセスをスムーズに進めるために不可欠です。「報告業務の効率化」「情報共有の促進」など、現状の課題分析し、具体的な目的を設定します。その際は、現場の営業担当者からもヒアリングを行うことで、多角的な視点で課題を洗い出せます。

ステップ3:自社に適したツールを選定する

SFAツールの効果や費用、導入にかかる工数は、ベンダーごとに異なります。情報を収集する際は、各ベンダーのWebサイトや資料だけではなく、レビューサイトやRFP(提案依頼書)を活用して慎重に比較検討することが重要です。RFPを作成することで、ベンダーから自社の要望に合った提案を受けられるようになります。

ステップ4:運用ルールを策定する

導入するツールが決定したら、次に運用ルールを策定します。以下のポイントを現場の担当者とともに検討します。

  • SFA導入の目的を全員で共有する
  • 運用ルールの設定やマニュアルの作成を行う
  • 収集する情報を明確化する
  • 受注率や見込み客獲得件数といったKPIを設定する

ステップ5:運用を開始する

ベンダーとの契約が完了したら、実際にSFAの運用を開始します。運等開始時には、操作方法や運用ルールを伝達するための研修を実施し、現場にメリットを理解させることが重要です。

ステップ6:運用を定着させる

運用開始後、営業担当者がSFAを日常的に活用できるよう、プロジェクトリーダーはフォローアップを行い、疑問や不満に対応します。操作に慣れるまでは疑問や不満が溜まりやすいため、サポート体制として社内ヘルプデスクを設置することも効果的です。運用開始から3カ月ほど経過したら、SFAの効果測定を行い、フィードバックを基に改善を続けることで、さらなる効果向上が期待できます。

SFAツールを現場で定着するコツ

SFAを現場に定着させるためには、導入の目的を明確にし、部門全体で共有することが不可欠です。導入の意義を理解した営業担当者の協力を得ることで、定着率を向上します。導入は少人数から始め、運用ルールを調整してから全体に展開することで、混乱を最小限に抑えます。ツール選定時には、費用だけではなく、サポート体制も考慮してコストパフォーマンスの比較が重要です。

導入の目的をチーム内で共有する

SFAを導入する際は、事前に導入の目的を明確にします。解決すべき部門の課題や必要な機能を見極められます。目的は上層部だけではなく、現場の営業担当者にも共有し、共通認識を持つことが重要です。共有すべきポイントには以下の内容が含まれます。

  • どのような課題を解決するために導入するのか
  • SFAが定着することでどのような効果が見込めるのか
  • 営業担当者が得られるメリットはなにか

このような共通認識を持つことで、導入時の負担を軽減し、スムーズな定着が期待できます。

少人数から運用を開始する

SFAは、少人数からテスト運用を行うことで、導入コストやコストを抑えることができます。初めから大規模に展開するのではなく、一部の営業担当者を対象にしてツールの操作性や使い勝手を確認します。以下のプロセスで進めると効果的です。

  • 無料トライアルやデモを活用する
  • テスト運用で運用ルールや入力項目を確認・調整する
  • テスト結果に基づいて本格導入を進める

段階的な導入は、現場の反発を最小限に抑え、全体展開がスムーズに進むための重要なステップです。

導入後のサポートが充実したツールを選択する

SFA導入後のサポート体制は、定着率を高める上で非常に重要な要素です。ベンダーによってサポート内容に差があるため、事前に無料サポートや有償サポートの有無を確認し、迅速な対応が可能な体制を選びましょう。トラブル時や不明点の発生時に迅速なサポートを受けられることは、SFAの定着率を高める非常に重要な要素です。単純な費用比較だけではなく、受けられるサポートも考慮のうえでコストパフォーマンスを比較することをおすすめします。

SFAツール導入の成功事例

SFAで営業DXを推進し、年間販売台数業界1位を達成

京都市を拠点に医療関連製品を製造・販売するワケンビーテック株式会社は、長年運用してきた自社開発システムをZoho CRM へとリプレイスし、短期間で営業DXを軌道に乗せました。
旧システム利用時は非効率なオペレーションが横行していたことに加え、部署ごとに異なるシステムを運用していたため業務の分断が発生していました。しかし、このような課題はZoho CRM の導入によって解消され、データ活用の基盤が構築されました。結果として顧客へ提供できるサービスの品質が高まり、国内における「安全キャビネット」の売上が年間販売台数1位を記録しました。

ワケンビーテック株式会社の導入事例はこちら

SFAで業務効率が飛躍的に向上、DX推進の大きな足がかりに

株式会社ミツバは、二輪・四輪自動車や汎用機で使われる電装品の開発・製造・販売を一貫して行う独立系自動車部品メーカーです。同社の二輪・汎用営業部は、営業の属人化を解消するためにZoho CRM を導入し、大幅な営業業務の効率化を実現しました。
顧客情報・案件情報を組織で共有する基盤が整っておらず、営業の属人化を招いていた状況はZoho CRM の導入によって解消されました。加えて、営業報告が効率化する「タスク機能」を活用することで、1時間ほどかかっていた営業報告書の作成が20分ほどに短縮されています。結果として営業活動の意思決定スピードが向上し、DX推進の大きな足がかりを得ることができました。

株式会社ミツバの導入事例はこちら

SFAで営業活動を可視化し、年間受注件数2倍の急成長を遂げる

株式会社サンエーは、太陽光発電システムの提案から工事、メンテナンスなどのアフターフォローまでを一手に担う電気工事会社です。長年にわたって非効率な情報管理が行われ、営業活動の属人化が生じていた同社。Zoho CRM Plus を導入したことでアナログ管理から脱却し、現在も成長を続けています。
同社は以前、他ベンダーのITツールで失敗を経験していましたが、組織の状況に合わせて柔軟にカスタマイズできるZoho CRM は営業部門にしっかり定着しました。とにかく現場が使いやすいようにカスタマイズを重ねた結果、各担当者は率先してZoho に情報を入力するようになり、これまで紙の帳簿や各自のスプレッドシートで管理されていた顧客情報・商談情報が可視化されました。結果として年間の受注件数は2倍に、営業部門一人当たりの年間売上は1.4倍に増加するなど、DX化への第一歩を成功させています。

株式会社サンエーの導入事例はこちら

SFAに関するよくある質問

Q

SFAとはなんですか?

A

SFA(Sales Force Automation)ツールとは、「営業支援システム」のことです。営業活動を効率化し、部門全体の生産性を向上させる目的で活用されています。主な機能としては、顧客管理、商談管理、タスク・スケジュール管理、見積もり・請求書作成、売上予測などが挙げられます。

Q

SFAを導入するメリットはなんですか?

A

SFAを導入するメリットには以下のようなものがあります。

  • 営業活動の可視化による属人化の解消
  • データ分析の効率化による迅速な意思決定の実現
  • ノウハウの共有による教育コストの削減、営業力の強化
  • 事務作業の負担軽減による残業時間の削減
  • 情報共有の活性化による高品質な顧客フォローの実現
Q

SFAはどのように選べばよいですか?

A

自社の状況にマッチしたツールを選択するうえで重要視すべきポイントは以下のとおりです。

  • 導入目的を達成するうえで必要な機能が搭載されているか
  • 現場の営業担当者にとって使いやすいか
  • 他のITツールと連携しやすいか
  • 導入後のサポートやトレーニングは充実しているか
Q

SFAはどのようなツールと連携できますか?

A

CRMやMAはもちろん、グループウェア、チャットツール、会計ソフトなど、多様なツールとの連携が可能です。ただし製品によって連携できるツールは異なるため、導入前に現在使用しているツールとの相性を確認しておくことをおすすめします。

Q

SFAの導入期間はどのくらいかかりますか?

A

SFAの導入期間は、利用規模やカスタマイズの内容によって異なります。導入したツールが組織に定着するまでは、数カ月から半年程度を要することが一般的です。

※本資料は各社製品ページの情報(1)をもとに作成しています。なお、製品の実際と異なる場合に`おいても、弊社では責任を負いかねます。
(1)
https://www.salesforce.com/jp/sales/
https://www.hubspot.jp/products/sales
https://www.e-sales.jp/
https://product-senses.mazrica.com/
※掲載情報は2024年7月1日]時点のものです。最新情報につきましては、必ず各社にお問い合わせの上ご確認ください。
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