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Xを活用したソーシャル・セリングとリードジェネレーション10のステップ

公開日:

2025年2月26日

この記事は13分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

Xを活用したソーシャル・セリングとリードジェネレーション10のステップ

月間アクティブユーザー数が6億5,000万人というX(旧Twitter)は、マイクロブログの中で最も人気のあるサービスです。巨大なプラットフォームであるXをマーケティングに活用して、リードジェネレーションを加速させる方法をご紹介します。

Xマーケティングが効果的な理由

(1)広範なリーチ

Xは世界中のユーザーにアクセスできるため、ビジネスの認知度を高めるのに最適なプラットフォームです。

(2)リアルタイムの情報発信

Xは速報性が高く、最新情報やキャンペーンを迅速に発信できます。これにより、顧客とのコミュニケーションがより円滑になります

(3)見込み客とのエンゲージメント

Xを通じて顧客と直接対話することができ、フィードバックを受け取ることでサービスや製品の改善に役立てることができます。

(4)ブランドのパーソナリティを表現

Xはカジュアルなコミュニケーションが可能で、ブランドの個性や価値観を表現しやすいです。

(5)トレンドの把握

Xではリアルタイムでトレンドを追うことができ、業界の動向や顧客の関心を把握するのに役立ちます。

(6)X広告

X広告を利用することで、コストさえかければターゲットオーディエンスに対して早期にアプローチできます。X広告は配信アカウントのフォロワーが多いほど効果的なものになりやすいため、日頃からオーガニックなポストを通じてアカウントを育てておくことが大切です。

この記事では、Xを活用してビジネスのリードを生み出すための方法を10のステップに分けてご紹介します。

1. プロフィールを作成する

ソーシャル・セリングで最も見落とされがちな部分の一つは、「売れるプロフィール」を作成することです。多くの企業が時間とリソースを費やしてオンラインで販売活動を行っているにもかかわらず、プロフィールの改善にまで気を配れていません。プロフィールは、あなたがどのような人物で、どのような価値を提供し、何を大切にしているのかを伝える重要なツールです。

Xでユーザーがあなたを見つけた際、プロフィールを見て必要な情報を一目で理解できるようにしましょう。プロフィールは単なる自己紹介にとどまらず、リードがビジネスに興味を持った場合にスムーズに連絡を取るための重要な場所です。したがって、会社の住所、電話番号、Eメールアドレス、ウェブサイトなどの連絡手段を目立つ位置に配置することが重要です。

名前とハンドルネーム

ビジネスに関連する名前をXのユーザー名として使用することをお勧めします。X上での名前は、あなたのブランドやアイデンティティを示す重要な要素です。ハンドルネームは少しクリエイティブにしても構いませんが、ブランド名や関連性が明確に伝わるように工夫しましょう。

Xのプロフィール画像とバナー

プロフィール画像は、名前と並んでX上で自分を識別するための重要な要素です。ロゴを使用するのが無難ですが、ロゴがない場合は店舗の写真などを使用するのも良いでしょう(グラフィックデザイナーに依頼してプロフェッショナルな画像を作成してもらうのも良い選択です)。プロフィール画像は円形にトリミングされるため、ロゴやシンプルな背景に合わせたデザインが理想的です。

Xのバナーには、企業の目標や理想、スローガンなどを表現する画像を使用しましょう。バナーは定期的に変更し、最新の情報や重要なイベントを反映させることが重要です。画像は高解像度でオリジナルのものであり、適切なサイズで使用することが大切です。

Xのプロフィール

プロフィールは、訪問者に強い印象を与える重要な場所です。簡潔でわかりやすい説明文を心がけ、必要な情報(Webサイトのリンクや所在地)を追加しましょう。また、ここは連絡先情報を表示する場所でもあります。プロフィールを充実させておくことで、見込み客があなたに連絡を取りやすくなります。

2. X用のランディングページを制作する

プロフィールを設定したら、次に必要なのはX用のランディングページを作成することです。このステップは見過ごされがちですが、非常に重要です。目的は、Xから外部サイトへ誘導し、見込み客の情報を収集することです。Webサイトのホームページをそのまま使用するのは避け、特にリード獲得に特化したページを用意しましょう。

ランディングページには、訪問者が簡単にメールアドレスを入力できるフォームを設置します。これにより、CRM/SFAツールに新しいリードを容易に追加でき、またXから得られるトラフィックをモニタリングすることが可能になります。さらに、ソーシャルセールス戦略の効果を測定するためのデータを収集するのにも役立ちます。

ランディングページへのリンクは、プロフィール欄に記載し、関連するポストにも追加しておきましょう。リンク付きのポストを行った際には、GA4もしくはXアカウントのアナリティクス画面からクリック数を確認し、ポストのパフォーマンスを評価することが可能です。

3. ポストする

XはSNSであり、販売やマーケティングのチャネルではありません。そのため、販売や宣伝を目的としたポストよりも、社交的なポストを優先するべきです。フォロワーやブランドのファンであっても、販売や宣伝ばかりのポストを行っているアカウントには飽きてしまいます。

30/60/10のバランスを保つ

Lead Forensicsの超あによると、企業はフォロワーの体験を最適化するために、ポストの内容をバランスよく調整する必要があります。

  • 30%:自社で所有するコンテンツ(ブログや動画など)
  • 60%:他社が作成したが、シェアする価値のあるメディア(キュレーションコンテンツ)
  • 10%:宣伝用ポスト

Xはあなた自身のためではなく、あなたと世界との関係を築くためのプラットフォームです。関係を育み、他者に役立ち、健全なコミュニケーションを心がけてください。フォロワーにとって有益なポストを習慣化することが大切です。

ポストするのに最適なタイミング

リードを生み出すためには、適切なコンテンツを投稿するだけでなく、タイミングでも重要です。ポストが最大限の効果を発揮するためには、ターゲットオーディエンスのほとんどがオンラインにいる時間帯に投稿する必要があります。ビジネスの種類や業界によって、最適な時間や曜日は異なるため、これらを考慮することが大切です。

CoScheduleの研究によれば、ポストに最適な時間帯は午後12時から3時、または午後5時であり、最適な曜日は水曜日です。特に正午と午後5時から6時の間に投稿すると、リポストやクリックスルーが増加することが示されています。

画像とテキスト

Xでは、画像や動画を添付することができます。ポストする際に覚えておきたいBufferの2つの統計を紹介します。

  • 画像付きのポストは、画像なしのポストの2倍のエンゲージメントを得る。
  • 100文字未満のポストは、17%多くのエンゲージメントを獲得します。

一般的には、1~2行の短い文章、画像、1~2個のハッシュタグで構成されたポストが理想のバランスとされています。しかし最終的には自社のビジネスに合わせて、さまざまなタイプのポストを試し、その結果を見ながら投稿を計画していくことが重要です。

4. 潜在顧客を探す

Xでは、見込み客を獲得するだけでなく、潜在顧客を積極的に探すことも可能です。ソーシャル・セリングのポイントは、プラットフォーム上に散在している見込み客を発見し、適切なタイミングでアプローチすることです。

業界に関連するキーワードをフォローすることで、誰かがそれについてポストした際に通知を受け取ることができます。これにより、ターゲット層と積極的に接触し、リードを発見することが可能です。また、X上でユーザーがあなたのアカウントを@付きでポストした場合には即座に通知が届き、迅速に対応することができます。

また、Zoho CRMのSNS管理機能は、このプロセスを支援し、あなたに接触している潜在顧客の特定を支援します。

5. 競合他社に関するポストを検索する

競合他社のXアカウントをチェックすることは、見込み客の獲得に非常に効果的な手段です。市場規模に関わらず競合をフォローし、その活動をモニタリングしましょう。

➤競合他社の顧客が不満をポストしているのを発見したら、すぐに反応し、自社の製品やサービスを提案しましょう。自社の商品やサービスが不満を解決できることをアピールする絶好のチャンスです。

➤ 他社の製品やサービスの代替品を探しているポストを見つけた場合、そのユーザーに自社のソリューションを提案することができます。

➤ 競合の見込み客が迷っている場合には、比較表を共有しましょう。競合他社と自社を比較する表を作成し、それをポストすることで、潜在的な顧客に自社の優位性を効果的に伝えることができます。

ただし、競合他社に不満を持つ見込み客や迷っている見込み客に対してソーシャル・セリングを行う際には、注意が必要です。健全な競争は大切ですが、コンプライアンスに配慮して、常に礼儀正しく、真摯に接することを心掛けましょう。

6.コミュニケーションを強化する

Xのユーザーは有意義で生産的な対話を行っています。あなたもこの対話に参加することで、マーケティングのためだけの存在ではなく、人間的なつながりを築くことができます。

業界のインフルエンサーとのコミュニケーション

インフルエンサーとは、コミュニティの発展に積極的に関わって多くの指示を得ているアカウントを指します。リプライを用いてこうしたアカウントのディスカッションに参加し、マーケティングの意図を持たずに有益な知識や意見を提供することが重要です。人々は役に立つ、知識豊富で理性的な人物に好意を抱き、その評判は口コミとして広がります。

インフルエンサーの目を引くことができれば、その後お墨付きを得られる可能性もあります。インフルエンサーマーケティングは非常に効果的です。このような対話を通じて、自社やあなた自身の強み・信念、情熱をアピールすることが、インフルエンサーやそのフォロワーを引きつけることに繋がります。

ストーリーを語る

X上であなたのビジネスのストーリーを語ることは非常に効果的です。オフィスでのイベントや顧客の成功事例など、日々の出来事をシェアすることで、ビジネスに人間味を加え、見込み客の注目を集めることができます。感情を込めて投稿することで、フォロワーとより深いレベルでつながることができるでしょう。

トレンドについて話す

トレンドに関連する話題に触れることも、Xでのエンゲージメントを高める方法です。時事問題や社会的なテーマ、地域の話題、業界のトピック等について、自分の意見をポストすることで、共感を得られる可能性があります。例えば、地元の農家として牛乳の品質や地域の問題についてポストする、といった方法が考えられます。

Xスペース

Xスペース(X Spaces)は、Xが提供するライブオーディオチャット機能です。ネットワーキング、Q&Aセッション、ポッドキャストの放送、音楽のライブパフォーマンス、ニュースの議論、教育セッションなど、さまざまな用途で利用されています。Xスペースはフォロワーに対して通常のテキスト投稿では難しい深い交流を可能にします。

7. カスタマーサポート(アクティブサポート)

アクティブサポートとは、SNS上で自社サービスに不満やトラブルを抱えている顧客を探し出し、能動的にカスタマーサポートを行うことです。

企業がXを通じてアクティブサポートを提供することは、今や当たり前となっています。顧客は自分の好みに合ったチャネルでサポートを受けたいと考えており、Xはその一つです。顧客が簡単にアプローチできる場所で問題を解決する姿勢を示すことで、企業への信頼を築くことができます。

また、サポートに満足した顧客がその良い経験を他の人に話してくれることも期待できます。Xを通じたカスタマーサポートは、企業の信頼性や顧客重視の姿勢を広くアピールする絶好の機会です。もし顧客が不満を感じていた場合、その体験を改善し、迅速かつ親身な対応を行うことで、悪い印象を逆転させることが可能です。

重要なのは、顧客対応を通じて企業の透明性や親近感を示すことです。迅速かつ理解のある対応を心がけ、顧客が問題解決を実感できるよう努めることが、良好な関係を築く鍵となります。

8. コンテストを開催する

Xでフォロワーを増やし、さらにはトレンド入りするための効果的な方法の一つがコンテストです。オンラインコンテストは、マーケティングにおいて非常に強力なツールとされています。コンテストを開催することで、リーチを拡大し、ユーザーとのエンゲージメントを高めることが可能です。

一例として、フォロワーにリポストを促すことで賞品をプレゼントするコンテストが非常に人気です。リポストされることで、あなたのビジネスを広く知ってもらうことができ、フォロワー以外にも無料で露出する機会が得られます。ユーザーに指定のハッシュタグ(あなたのブランド名を含むものなど)を使用してポストしてもらうことも、効果的な手法です。

コンテストの内容として、新商品のキャプション作成や新メニューのアイデア提案など、フォロワーにクリエイティブな方法で関与してもらうことも効果的です。フォロワーが積極的に参加し、ブランドへの愛着や興味を深めることができます。

コンテストの要点は、フォロワーのポストやリポストを通じて話題を創出することです。賞品やルールを考える際には、あなたのビジネスにとって新たなリードを生み出す内容にすることが重要です。

9. 宣伝ポストを投稿する

Xをマーケティングツールとして活用する際、60/30/10ルールに基づき、10%の宣伝ポストが重要な役割を果たします。このルールを適切に活用することで、ブランドの宣伝やリードの獲得が可能になります。

重要なのは、宣伝ポスト自体がフォロワーの興味を引く内容にすることです。

Xで製品に関するディスカッションを促進したり、カスタマーストーリーやプロモーションビデオを共有したり、といった工夫が考えられます。質の高いプロモーションコンテンツを作成し、十分な数のオーディエンスに届くようにすることが、ソーシャル・セリングの成功につながります。

10. X広告を活用する

ビジネスが成長するにつれて、マーケティング戦略も拡大していく必要があります。無料で得られるフォロワーやインフルエンサー、パートナーからのサポートは貴重ですが、さらなる規模の拡大を目指すのであれば、X広告の活用も選択肢となります。特定のポストを宣伝することで、より多くのオーディエンスにリーチし、ビジネスを加速させることが可能です。

X広告を利用する際には、ポストに対して必ず画像もしくは動画を埋め込むようにしてください。エンゲージメント率に大きな影響を及ぼします。

X広告の実施に先行してオーガニックポストでフォロワーの反応を確認し、良好な反応を得られたポストを広告に活用するのも良いでしょう。

Xを活用してビジネスを拡大

Xでリードを獲得するための簡単な方法は存在しません。まずはしっかりとしたプロフィールを作成し、販売活動を行う前にユーザーとコミュニケーションを取りましょう。常に見込み客を探し、フォロワーにとって価値のあるポストを継続することも重要です。Xの運用に苦手意識を持つ企業も多いようですが、実は上手に活用すればFacebookやLinkedInよりもリードジェネレーション貢献度が高く、ROIの高いプラットフォームとなり得ます。

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