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営業チームの契約管理を効率化する Zoho CRM と Zoho Contracts の連携

公開日:

2025年2月13日

この記事は6分で読めます

執筆者 菊池 紗矢香

営業チームの契約管理を効率化する Zoho CRM と Zoho Contracts の連携

「契約」は企業ビジネスの基本をなすものです。受注は正式な「販売契約」となり、合意内容や重要事項が文書として記録されます。契約はビジネス関係を円滑に進めるための基盤を提供し、支払い、納品、その他の責任を明確に定義します。

この記事では、営業契約の管理に関する課題と、それに対する最新の解決策について解説します。また、Zoho CRM とZoho Contracts の連携についても詳しくご紹介します。

営業チームにおいて、契約管理が障壁となる理由

多くの企業では、契約の作成、実行、管理に関する効率的な仕組みが整っていないため、契約作成の遅れやレビューの長期化、署名の遅延、複雑なオンボーディングプロセスといった非効率が生じています。これらの問題は、営業全体のパフォーマンスに大きな影響を与える要因となっています。

実際、契約プロセスの非効率性が遅延の原因となっていると報告しているビジネスリーダーは、50%以上に達しています。

営業チームの契約管理プロセス評価チェックポイント:

  • 契約情報が整理されており、営業が簡単にアクセスできる。
  • 契約テンプレートの最新版を常にダウンロードできる場所が用意されている。
  • 重要な契約は、締結前に必ずレビューされるようになっている。
  • 営業は、更新が必要な契約の数を常に把握できている。
  • 契約更新されずに失効した場合、上司などに通知される。
  • 承認待ちの契約件数と進捗状況を把握している。
  • 契約の変更や修正を一元管理し、追跡できる。

従来の営業チームの契約管理

多くの企業では、契約の進捗状況を管理するために専用のツールを導入しています。しかし、営業チームの観点から見ると、顧客や商談情報はCRMに記録され、契約管理は別のツールで行われるため、情報が分断されています。その結果、契約書の作成や承認を進める際には、CRMに記録された関係者の情報を個別に共有しなければならず、このプロセスは業務の円滑性を損なうだけでなく、透明性の確保も難しくなります。

契約ステージ使用されるツール主な対応
契約作成文書作成ツール
  • CRM(顧客管理システム)に登録されている取引関連情報を、法務部や経理部などにメールで共有。
  • 最新の契約書テンプレートを法務部へ問い合わせ。
  • 契約書テンプレートをもとに、契約書を編集。
契約レビュー・調整メール
  • 契約書を社内外の関係者にメールで送信し、レビューを依頼。
  • メールに契約書を添付して、確認・調整。
  • レビューが遅れている場合は、リマインダーを送り、フォローアップ。
契約締結電子署名ツール
  • 契約書を電子署名ツールを利用して、関係する署名者に送信。
  • 期間内に署名が行われるよう、フォローアップ。
契約義務管理スプレッドシート
  • 契約義務(例:支払い期限、納品物、納品期日など)をスプレッドシートに記録。
  • 義務を期日内に履行。
契約マイルストーン管理カレンダー
  • 契約の開始日、終了日、更新期限、納品日などの重要な日程をカレンダーに記入。
  • 重要なマイルストーンのリマインダーを設定し、期限内に対応。
  • 更新やレビューに関する締切を関係チームと共有し、進捗を管理。
契約アクセス管理文書管理ツール
  • 契約書のバージョンを文書管理システムに保存。
  • アクセス権限を設定。

従来の営業チームの契約管理における課題

人為的ミス

従来の契約管理では、メールやチャットを利用して関係者と連絡を取りながらプロセスを進めることが一般的です。また、CRM(顧客管理ツール)やCLM(契約ライフサイクル管理ツール)など、複数のツールを併用することで管理はさらに複雑化します。その結果、重要な情報の見落としやデータの不整合が生じやすくなり、人為的ミスのリスクが高まる傾向があります。

契約テンプレートの管理に関するミス

契約テンプレートが共有ドライブやスプレッドシートなどの分散システムで管理されると、以下のような課題が生じ、予期しないリスクや業務のパフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。

  • 最新の契約テンプレートを見つけるのに時間がかかる。
  • 古いテンプレートが誤って使用されてしまう。
  • 複数のバージョンが存在するため、管理が複雑になる。

営業サイクルの長期化

契約プロセスに非効率が生じると、営業サイクルが長期化する原因となります。その結果、商機を逃したり、収益の遅延が生じるリスクが高まります。

  • 契約のレビューに関して、複数の関係者と何度もメールでやり取りを行う。
  • 承認、交渉、署名の各段階において、自動リマインダーや活動追跡がないため、遅延が生じる。

コンプライアンスの不備

CLMツールがない場合、契約上の義務を確実に履行することが難しくなります。たとえば、支払い、更新、納品などの重要な期限は、自動リマインダーや集中管理システムがなければ見逃されることが多くなります。義務を果たさないことは、収益の損失や訴訟費用の増加、取引関係の破綻、さらには企業の信用低下といった深刻な影響をもたらす可能性があります。

現代の企業が営業契約管理の課題にどのように対応しているか

現代の企業は、営業契約管理の課題に対応するため、デジタル契約ライフサイクル管理(CLM)ツールをCRM/SFAツールと連携させています。この連携により、部門間の情報の流れが円滑になり、コラボレーションが促進されるとともに、契約サイクルの短縮や義務の履行がシームレスに行えるようになります。

Zoho ContractsとZoho CRMを連携させる

Zohoでは、契約管理のあらゆる側面において効率を向上させるための包括的なCLMソリューション「Zoho Contracts」を提供しています。Zoho ContractsをZoho CRMと連携させることで、契約管理を自動化し、CRM上で契約のライフサイクル全体を一元管理することが可能です。

Zoho CRMとZoho Contractsを連携させることで、利用可能になる機能
  • Zoho CRM の商談や連絡先から直接、新規契約をリクエストできる。
  • Zoho CRMに登録された取引先や連絡先の情報を自動的にZoho Contractsに反映。テンプレートを基に契約書を自動で生成する。
  • 割り当てルールに従い、Zoho Contracts内で契約の対応者を自動的に設定する。
  • 契約書のコピーを、Zoho CRMの商談データにある添付ファイルセクションにも保存される。
  • 契約書を直接取引先にメールで送信できる。
  • 契約の進行状況を、Zoho CRMの商談データ内にあるZoho Contractsセクションでリアルタイムに追跡できる。
  • 契約の承認、交渉、署名をCRM内から依頼できる。
  • Zoho ContractsのeSignature機能を利用できる。
  • 契約の修正、期間延長、更新などの管理リクエストをZoho CRMから直接送信できる。

Zoho ContractsとZoho CRMを連携するメリット

  • 契約作成の迅速化
  • 円滑なコミュニケーションとコラボレーション
  • 契約状況の可視化と透明性の向上
  • 契約情報へのアクセス性向上
  • 契約締結の迅速化とコンプライアンスの向上
  • ビジネスリスクの低減
  • 契約更新の漏れ防止
  • 業界基準・法規制の遵守強化

Zoho ContractsとZoho CRMの連携手順については、ヘルプページをご参照ください。

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